時々、調子がよければひらめく程度に

故郷の旧友のニュースを聞いた。10年以上会ってはいなかったが、いずれ何か機会があればまた会うような気がしていた。多分、そういうようなことを思っていても、会うことは積極的にならないと難しい。どちらかといえば、僕が避けられたような感じで別れてしまったが、彼から見ると僕が彼のことを嫌いになったように見えたかもしれない。

 

泣くほうが普通、だと思うけど、そんなにはっきりは泣けなかった。それぐらい、僕は自分を見失っている、全然自分らしくない方向に行ってしまったのだと思った。多分、彼もそうであったような気がした。

 

最近、また小説を読んで面白いと感じるようになった。やっぱり、乾いた感じでないと、自分は余り受け付けないのだと感じた。今更だけど、志賀直哉さんは結構乾いた感じなのかもしれない。といってもほとんど読んでいないから、たまたまそういうところを読んだだけなのかもしれない。乾いた感じで書いていても、夏目漱石さんはどこか奥のほうが湿っている感じがして少し苦しくなる。ほとんど読んでないのに余り感覚的なことを言っても失礼かもしれないけど、ただ、ちょっとまた小説を読むのを面白いと感じてきた、というだけというか、僕はそれがちょっとうれしいというだけでこんなことを言いたいだけかもしれない。

 

彼は急いでいるように僕には見えた。彼には僕はのんびりし過ぎているように見えたのかもしれない。彼には瞬発力があったけど、やっぱり焦っていた。僕には集中力が足りない気がする。僕には自分が決定的に悪いと思うだけの鋭さがなかった。それで助かったのかもしれない。彼には、鋭さがあったし、明晰だった。それでいて割り切るのがうまくないところがあった。その二つが揃ってしまったら、悪いときは逃げ道がないのかもしれない。僕はでも、その二つが揃っているのが、すごいと思っていた。

 

途中だけど、また少しずつ、集中できなければ、何かの合間にも書いていこうと思います。