どうなっても

もうどうなってもいいや、と彼女は言った。どうなってもいい、というのは、すごくいいことが起ってほしい、さもなくば、もう終わりにしたい、ということだと思った。
今日は主に彼女は、体の不調を話していた。自分で自分を助けようとしない人は誰も助けられない、というもっともらしいことを一瞬思ったが、すぐに捨てた。どうなってもいいなら、少しだけ良くなるように地道なことをしたら、と言うのだって、やめた。そうなって、彼女の言うことを繰り返しただけだったが、ちょっと前と比べても、柔らかく話せた、と思いたい。
そんなふうに彼女との電話を終えた後は、人間の心の欠片を一つ拾った気分になり、これが人間の気持ちか、と変な気持ちになる。