あるランナー(大阪国際女子マラソン)

彼女の走りは、柔らかくて危うい。調子の悪い時は、ぐらぐらと揺れているようにみえる。形があるわけではないから、だんだんと同じ形のままスピードを落として萎んでいくのではない。ぽっきりと折れてしまうわけでもない。ぐらぐらと揺れながら、迷いも選択肢もなくなって、逆に形に一番近付いて、それを掴もうとしているようにさえみえた。その迷っている姿とか、自由奔放な姿とか、純粋に走っている姿とか、強かったり弱かったりする危うい様子が、素敵だと思う。