手間をかける

昨日、真夜中にバスに乗り、外灯のない暗闇の山道を行き、隣に座っている北野武さんに、「何故こんな所にいる? 早く帰った方がいい」と言われる。僕はお金を渡してなんとか連れていってもらおうとするが、受け取ってもらえない。こんな所というのが、どんな所なのか分からないが、自分が望んでこんな所にいることは知っていた。危険な所に向かおうとしていることは、バスの中の空気で分かった。という夢を見た。心当たりがないわけではないが、よくは分からない。

今日は本を買うため払込をしたかったので、大阪中央郵便局へ。払込書に記入し、ATMの中へ。送り先の口座番号、加入者の名前を確認し、金額を入力、現金を入れて、手続きが完了する。お釣りと、明細を受け取り、儀式が終わった、というような気分。秘伝の書、忍術の巻物、魔法の本、そのようなものに、子供の頃あこがれた。そのような気持ちで本を買うのは、ここ何年もなかったような気がする。

帰りに『PePe』に寄り、トマトの味が目立つカレーを食べ、透明な味のコーヒーを飲む。おばちゃんに、いつもありがとう、と言われる。まばらに、五回くらいしか来たことないのに。梅田の行きつけにしよう。

駅へ向かう途中、前を歩いている女の子が、携帯電話を落とした。白い、丸みのある携帯電話。拾って渡すと、ありがとうございます、と言われる。すいません、と言われると思い身構えていたので、ほっとした。

夜に、祖母に、自分を活かして他人を活かす、ととなえて思い切って電話。自分のためにしたのに、感謝される。奇跡的、とつぶやいてしまう。