懐かしい場所

一昨日、卒業した大学を訪ねた。そこに行くのは一年ぶりになる。

一番馴染みのある場所には、中々足が向かない。
職員さん、書店の方と話す。一番馴染みのある場所にはまだ行っていないことを話すと、なんとなく納得される。

何処を見ても、懐かしい、と思う。学生時代の気持ちがよみがえり、気持ちが高揚する。やたらにうろうろと歩き回る。写真も撮る。
もうすでに、自分の場所ではない、皆去ってしまった、と思ったときは、少し切なくなる。
高揚するのも、切なくなるのも、どちらも本当のことだ。それなら単に懐かしいと思い、僕も今の所でがんばろう、と思い、いい思い出にして帰ればいい。

思い残したことはなかったか、と思い、一番馴染みの深い場所にいく。一番会うのが怖く、一番会ってみたかった人は、そこにはいなかったので、それほど時間の流れは感じない。それはそれで、よかったのだと思う。あそこはあそこで、あのままで居てくれたら、いいのだと思った。僕はそれを時々思い出してみれば、いいのだと思う。

はっきりとした区切りはなくて良いのかもしれない。自分の心の中で、もうこれでいい、と納得できれば、それで良いのだと思った。