七つ道具

蛍光ペン』は、最近はノック式のものが出ていて、いちいち蓋をしなくてもいいし、蓋をなくす心配もない。替えのカートリッジも売っていて、僕は、ブルー・ピンク・イエロー・グリーン・オレンジの五つがケースに入ったのを持ち歩いている。
 使い勝手がいいのは、グリーン。広告の紙面に多いのは赤と黄色、それにブルー。なのでグリーン、それにオレンジは使いやすい。
 メモ的に文字を書くなら、ピンクかブルーが◎。グリーンとオレンジは○。イエローはほとんど読めないので×。同じ所を何回もチェックするなら、イエロー、グリーン、ピンクの順に使っていくと、分かりやすい。
 
『指サック』を左手の親指に着けていないと、落ちつかない。すぐに、紙束が来た時に、素早く捲れる状態でいないと、落ち着かない。眼鏡の次に、必要だ。仕事をしている時の僕の左手の動きは、もう指サックありきになっている。

『ダブルクリップ』は、どの辺がダブルなのか、ちょっとはっきり分からないけれど、これがないと色んなものがごちゃまぜになる。これには特大の、約240枚挟めます、というサイズもある。ディスカウントショップで買っても、一個400円もする。開けるとき、ギリギリギリ、という音もするし、閉じるとき、バチン、という音もする。開くには、ある程度握力がいる。多分20kgくらいの握力は必要だと思う。ボス、とか、親分、とか呼ばれる。他には、極小・小・中・大、のサイズがある。

『ふせん』は、ふつうのと、強粘着、がある。断然、強粘着の方がいい。ふつうのだと、すぐに、あんなところに、という所まで移動してしまう。誰かに踏まれ、靴跡が付いたりする。

『定規』だけは、同じものを、ずっと使っている。原稿に当てて読みやすくしたり、朱書きをするときに使ったりする。僕が一番しやすい間違いは、見ていない、ということ。見さえすれば……ハンカチは忘れていかないけれど、鞄を持っていくのを忘れることがある、というようなことで、鞄さえ持っていきさえすれば、僕はある程度大丈夫なのだ。

後二つは『4色ペン』『マッキー』……あと『目薬』……それに、『ブラックブラックガム』。