それでも

 僕にも、好きな画家、と呼べる人は一人だけいて、それはベルト・モリゾです。印象派で有名な人達では唯一の女性、ということだそうです。何年前か京都に来た時に初めて彼女を絵をみて、彼女のことを知りました。3年前くらいにも、彼女は主役じゃなかったですが、兵庫にも幾つか彼女の絵がやってきました。そのとき、画集でしか見たことがなかった『ゆりかご』を、生で見ることが出来ました。親子を描いたもの、は多いです。また、女性を描くことも多いです。彼女の絵の中では、光はとても優しく激しい波になっています。それは、彼女の目がそうだということで、その彼女の目を想像することで、僕は女性の感情というものを信じることが出来ている気がするのです。久しぶりに画集を開いて、やっぱりいいと思ったのです。
 明日から仕事なので、心構えでマザー・テレサの本を読みます。小説は小島信夫さんを読みます。全然違いますが、僕自身まだまだ迷っていますので、それでいいということにします。レッドクリフだってみたし、ガンダムだってみるし、将棋もみます。(もう次のNHK杯は始まっているのです。中倉宏美さんが解説じゃなくなってショックを受けています、といっても誰も分からないでしょう。彼女は姉妹でプロの将棋指しで、確かバイクが趣味なのです。ぱっと見てそんなこと誰も想像しない静かな印象ですが)



人々は、理性を失い、非論理的で自己中心的です
それでも彼らを愛しなさい
もし、いいことをすれば、人々は自分勝手だとか何か隠された動機があるはずだ、と非難します
それでもいい行いをしなさい
もしあなたが成功すれば、不実な友と、ほんとうの敵を得てしまうことでしょう
それでも成功しなさい
あなたがしたいい行いは、明日には忘れられます
それでもいい行いをしなさい
誠実さと親しみやすさはあなたを容易に傷つけます
それでも、誠実で親しみやすくありなさい
あなたが歳月を費やした建物が、一晩で壊されてしまうことになるかもしれません
それでも建てなさい
ほんとうに助けが必要な人々ですが、彼らを助けたら彼らに襲われてしまうかもしれません
それでも彼らを助けなさい
持っている一番いいものを分け与えると、自分はひどい目にあうかもしれません
それでも一番いいものを分け与えなさい。

『A Simple Path / Mother Teresa』より