小説について

小説と、書き手の間には、切断がある、ということを、忘れていた、というよりも、小説が何か、ということを考える気になれなかった、夢を忘れていた、人生から目を逸らしていた、雨を数える、というのは何か、といえば、自分が小説を書き続けられるかどうか、ということ、自分は小説のことを本当に考えてきたのか、ということ、生きるということに自分が興味を持ち続けられるのか、ということを確かめたい、また、自分の中にどれだけの情報があるのかを目の辺りにしたい、もしくは、自分がどれだけの情報を引き連れることが出来るのかを確かめたい、という気持ちの証明だった。それまでの自分がもっとも選ばない方法だったけれど、そんなことは、本当は関係がない。もっといえば、本当に自分が理解していれば、そんな方法がまずい、ということにならない、と証明したい。馬脚をあらわしながらも、夢を失わず、前へ進めることを、自分に証明したい、と思っていた。僕は力不足だということがはっきりしてしまったけれど、小説のことを本当に考えてきたとは言えないけれど、それもまた一つの切断で、長い時間の流れで、それもまた一つの証明である、と思うことで、図々しく、望みを繋げたい。僕は、そのことに憧れ、夢を持つことができる、というように。引き続き、書くことで、憧れを、実感したいと考えています。