明るさ

暗さ、を感じると思ったら、そこに着いた瞬間、明るさ、を感じた。それで、悲しいのだと分かった。全てが明るくなってしまったのだった。僕はまだまだ暗い中にいるが、その人はもう、明るくなってしまったのだ。それは、もう終わった後だったから、静かで、明るかったのだった。生きている人は、穏やかではない。乱れている。やっぱりその人に、終わるまでに幾らかの時間があって、良かったのだ、と思った。もっと、男らしくやらなあかん、と言われている気がしたが、その声の想像が優しくなってしまったことで悲しくなったが、穏やかな世界に行けたのだ、と分かって嬉しかった。乱れている部分など、一時的で、儚いものなのだ。その人の美しい心の、なにものも表していない。そのことが、それまで自分が何も分かってなかった、ということにも気づいた。まだまだ何もわかっていない。そのことに、二十二歳で既に分かっている人もいれば、三十二歳でほんの少しだけ、初めて気付くものもいる。それは、良く考えてみれば、本当に初めてのことだった。それは、忘れてはいけない。乱れている部分なんて、なにものも表していない。自分がバカであることが、はっきりと分かった。美しい心が、今でもほとんど見えていない。


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