身にまとうのは人の思い

去年の前半は、もう苦しいとも思えないぐらい曇っていて、1日先のこともうまくイメージできなかった。単純にあしたの予定を考える、ということすらできなかった。希望とか夢がないというようなことよりももっと基本的な部分で、明日の用事をどういう順番でやっていくか、そもそもどんな用事があったか、何度も頭をひねらないと考えることができなかった。


今は頭を使って普通のことをちゃんとやるという意味では、8割方回復したけど、どうしても治らない部分もある。それでも感覚的な部分は、それを補うように、以前より少し鋭くなったような気がする。


桜が咲き始めたら、家の中にいても世界が違う気がする。


それは、とりあえず置いておいて、あしたからは会社に新しい人が3人来る。残業するということのイメージが、余りほかの人に今のところないような気がするけど、多分何とかなるような気がする。


最近、近くの人に一言二言、話しかけたくなる。普通のことだけど、僕にとってはここ数年、めったにそんな気持ちになったことはない。学生時代のときのような、理由もなく楽しい気持ちに、最近ときどきなる。


まだまだ不遜なところが自分に残っているのを感じる。感謝の気持ちも多分全然足りないんだと思う。


比べたり、評価したり、感想を言ったり、言われたり、怒られたり、褒められたりは、ささやかに、梅一輪ほど。温かみが一瞬、おだやかな人には感じられるほど。


最近、人が好きになってきた。正直言って、認めたくなかったけど、ずっと人間嫌いだった。せめて嫌なことを背負おうと思っていたけど、自分勝手に頑張るのはもうやめようと思う。


どうしようもなくうまくいかなかったり、うまくいったりすると、自分の力じゃないと、鈍い僕でもさすがにわかってきた。身振り手振りで、笑ったり怖い顔で教えてくれた。