瞬間から瞬間へ

昨日は、久しぶりに、テニスのシングルスの試合に出た。
申し込みをした後は、例によって後悔したのだが、当日の練習の後には、やる気になっていた。いつの間にか、一緒に試合に出てくれる若い友人もいて、触発されて、おそるおそる出るようになった。
体は思ったよりも、いつも動かないし、フルスイングを三回くらいすると息が乱れるから、一つのラリーでずっと思い切り打つのは難しい。体力も、ちょっとずつ使わないと、5試合ももたない。それでも、途中からは、自分の体との折り合いがついてきて、ちょうどいいペース配分が自然と表現できるようになる。気持ちだけでやっているわけではないし、体だけでやっているのでもなくて、両方が協力して、折り合って、対戦相手とも共同で、テニスの試合が出来ている。一番の主役はボールで、二番目がラケットで、三番目がコートで、四番目がネット、そして五番目がテニスをする人だ。その証拠に一番皆が見ているのは黄色い球だ。と僕は思っている。アマチュアプレーヤーだって、少しだけテニスに貢献している。


昨日の参加者は、特にフェアな人が多く、嫌な気持ちになることは少しもなかった。若い友人も、勝ったり負けたりでちょうどいいレベルだったらしく、楽しそうだった。僕もほぼ同じような気分だった。


試合が終わった後は、ファミリーレストランで、だらだらと話をしていた。恋人が撮ってくれた試合のビデオを時々見ながら、ディフェンスをどうこう、スライスをどうこう、チャンスボールをどうこう、と話していた。